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JWIBA Summer Summit 2024

2024年9月6日

スタンフォード大学

​イベント内容

<開催レポート>女性の自分らしい生き方とDE&Iを考えるイベント

「JWIBA Summer Summit 2024」が開催 

シリコンバレーの日本人駐在員におけるジェンダー格差と多様なキャリアパスの実態が明らかに 


日本とシリコンバレーを繋ぎ、女性のキャリアとDE&Iの未来を切り拓くNPO法人 Japanese Women’s Initiative in the Bay Area(以下、JWIBA)は、2024年9月6日に第二回サマーサミット「JWIBA Summer Summit 2024 Embrace Your Own Entrepreneurship 〜シリコンバレーで繋がり、拓く、新たな一歩〜」を開催しました。

本イベントでは、基調講演やパネルディスカッションに加え、JWIBA有志によるプロジェクトが、日本人駐在員における男女格差とDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の課題、そしてシリコンバレーにおける多様なキャリアパスに関する新たな調査結果を発表しました。

本リリースではイベントの様子と、プロジェクト報告のサマリーをお届けします。

キャリア形成が多様化している現代において、個々が主体的に自らのキャリアや生き方を構築し、変化に柔軟に対応する「起業家精神」を身につけることがますます重要になっています。今回開催された「JWIBA Summer Summit 2024」は、そうした「起業家精神(Entrepreneurship)」と「繋がり」をテーマに掲げ、変化の激しい不確実な時代において、シリコンバレーという革新の地で自分らしいキャリアや生き方を模索し、繋がりを通じてその可能性を広げるための場として開催されました。

 

イベントでは、スタンフォード大学アジア・米国技術経営研究センター長、リチャード・ダッシャー博士による基調講演をはじめ、シリコンバレーで活躍するイノベーターたちによるパネルディスカッション、さらに「シリコンバレー駐在経験者のキャリア形成」および「日米をまたぐ多様なキャリア事例と転機への向き合い方」に関する調査発表が行われました。230人以上が参加し、自らのキャリアやDE&I、自分らしい人生の築き方について、活発な議論を交わしました。



イベントハイライト


開会の挨拶で、JWIBA共同代表者の平野良子がNPO法人化とその意義について共有。

 

基調講演「急変革時代に起業家才能を身につける」

基調講演では、リチャード・ダッシャー博士が登壇し、現代社会で求められる起業家精神とその重要性について講演しました。ダイバーシティをもたらしイノベーションの多様性を推進するためには女性の起業家が重要だと述べ、聴講者に新たな価値ネットワークの構築を呼びかけました。



調査発表「シリコンバレー駐在経験者のキャリア形成に関する調査」

日本でも男女平等の重要性が叫ばれている昨今ですが、海外駐在員の男女比率を見ると、85.2%が男性で、女性はわずか14.8%(*1)と依然として大きな格差が存在しています。

JWIBAでは駐在中および帰任後のキャリア形成に関する実態を明らかにし、女性が駐在の機会を経て、帰任後も活躍できるためのヒントを得ることを目的に、シリコンバレー駐在と帰任を経験した男女42名に対し、調査を実施しました。

 

<調査結果サマリー>

・女性駐在員のうち74.2%が自己希望。男性回答者の36.4%を大きく上回った

 

・シリコンバレーで強化されたスキルには男女差が見られなかったものの、帰任後のスキルの活用率については男性回答者の方がやや高めの傾向であった

・90%以上の回答者が駐在経験によってDE&Iに対する価値観が変わったと述べており、特に男性の72.7%が国際的な任務を通じて多様性に対する見方が変わった様子が明らかになった

・女性の海外駐在を増やすために、男性の多くが「企業や組織の制度や風土」を変化させるべきと回答したのに対し、女性は「女性自身の意識」と回答した人が多かった。女性回答者は、「女性は自己実現のために意識を高く保たねばならない」というアンコンシャスバイアスを抱いていることが示唆された

 

詳しい調査結果に関してはシリコンバレー駐在経験者のキャリア形成に関する調査をご覧ください。

※本調査結果をご利用いただく際は、必ず『JWIBA』調べと明記ください。

 

調査発表「日米をまたぐ多様なキャリア事例と転機への向き合い方」

キャリアの多様化が進む現代、自らキャリアをデザインすることは必須となっています。続いて発表された調査「日米をまたぐ多様なキャリア事例と転機への向き合い方」では、キャリアの転機に悩みを抱える女性を支援することを目的に、50名以上の日本人駐在員の多様なキャリアパスが明らかにされました。

 

調査では「アメリカでのキャリア開始」「職種・就業形態の変更」「ライフステージの変化」という悩みが生じやすい3つのタイミングにフォーカスし、その際に直面する課題やベストプラクティスを通じて、キャリア開発のヒントを聴講者へ提供しました。

 

パートナーに伴って渡米し現地企業に就職した人、博士研究員からスタートアップに入社した人、駐在員として小さな子供とともに渡米し、その後自らのスタートアップを設立した人など、多様なケーススタディが紹介され、「計画的偶発性」の概念を取り入れながら、どのように個人の生活とキャリアバランスを取っていくかについての洞察が共有されました。

 

詳しい調査結果に関してはCareer Transition: 日米をまたぐ多様なキャリア事例と転機への向き合い方をご覧ください。

※本調査結果をご利用いただく際は、必ず『JWIBA』調べと明記ください。

 

パネルディスカッション「Entrepreneurship for Your Life」

パネルディスカッションにはパナソニックホールディングス執行役員、Panasonic Well本部長のヨーキー松岡(松岡陽子)氏、米法律事務所モルガン・ルイスの弁護士で対米外国投資委員会(CFIUS)ワーキンググループメンバーのナンシー山口氏、日本航空株式会社サンフランシスコ支店長の高橋徹氏が登壇し、「Entrepreneurship for your life」をテーマに活発な議論が行われました。

 

松岡氏は、自身のキャリアから得た起業家精神について語り、人々が何を求めているかを調査する能力、自分自身の感覚や直感、そして失敗から立ち上がるための忍耐力が、起業家にとって必要な資質であると強調しました。続いて、山口氏は女性として直面した課題について触れ、「絶対に諦めない」精神の重要性を述べました。彼女は、リスクを取ることや問題解決のスキルが、起業家としての成功に不可欠な要素であると強調しました。さらに、高橋氏は、異なる文化や宗教を持つ人々と働いた経験を振り返り、違いを受け入れる勇気の重要性について述べました。また、彼は、才能ある個人の情熱を活用することが、起業家としての成功に繋がると指摘しました。

 

今回、本イベントに参加した女性の多くが自身のキャリア構築について悩みを抱える中で、キャリアチェンジに悩む女性へのアドバイスとして、松岡氏は情熱の重要性と新しい選択肢を慎重に探ることを述べ、山口氏は失敗を恐れず前向きな姿勢を持つことの重要性、そして支え合えるネットワークの大切さを強調しました。高橋氏は、グローバルな視点を持つ重要性と、それに溺れない教訓を聴講者に伝えました。



閉会の挨拶で、JWIBA共同代表者の川邊万希子がJWIBAの意義と仲間づくりの重要性について強調した。

 

続くネットワーキングセッションでも多くの参加者がイノベーションやキャリア再構築・リスキリング、生活・子育て等のグループに分かれてディスカッションを行い、盛況のうちに閉会した。

 

JWIBAは、このようなイベントをはじめ、今後も多様な女性が自分らしく輝ける社会の実現に向けた取り組みを強化し、日本におけるDE&Iとイノベーションの推進に一層貢献してまいります。

 

JWIBAについて

JWIBAはサンフランシスコ・ベイエリアと日本社会に関わる女性を中心とするコミュニティを形成し、 「互いに支え合い励まし合って、個々のキャリア・人生が発展すること」「女性のキャリアをエンパワーすること」「日本のDE&I推進やイノベーションを後押しすること」をミッションに活動をしています。年次サミットの開催、定例ミートアップ・ワークショップの企画・開催・運営、シリコンバレー滞在経験者の意識・実態調査などを通して、サンフランシスコ・ベイエリアと日本を繋ぎ、女性が自分らしい生き方を追求できる社会を実現することで、 DE&Iやイノベーションを後押しすることを目指しています。


以上

 

(注1)北米のケース。引用:外務省 海外在留邦人数調査統計(平成30年 (2018年))

​参加人数

230名

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